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小学校受験の願書の本気(マジ)話。

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先週今週と、小学校受験(女子校)の願書の作成サポートに入っています。

 
お客様からご連絡があって、

 
「塾の先生に見せたら、全面的に書き直ししてくださいって言われましたー」

 
とのことで、よくよく話を聞いてみると、

「あまり難しく書くと、この保護者は難しい人だと思われて落とされる。だから簡潔に書いたほうがいい」

ということでした。

 
原稿を見てみると、あまり難しく書かれているふうには見えず、むしろ、かなりしっかりした出来栄えになっています。

これでいいのになあと思いながらも、お客様は、塾の先生の言うようにしないと、今後のこともありますからね。

 
「分かりました。じゃあ、ちょっと当社のほうで手を加えてみますよ」ということで、手を加えまして、それをお客様のお手元でさらに手を加えて、来週、また先生にお見せになるそうです。
 

 
 
この塾の先生の添削の内容が気になりまして、

難しく書いているかどうかって、あきらかに難解な研究者の論文のような内容でない限り、読む人の読解能力に依ってくるのではないのかなあと思ったんです。

実際、お客様も、先生からご指導いただいて修正した内容よりも、元の内容のほうがいいのではないかとおっしゃっていました。

 
修正した内容は、いうなれば

誰でも言いそうな平準化された内容

なんです。

明らかにパワーダウンしています、内容が。

 
 
他にも気になったこと何点があり、

「この書き方だと、男女の差別につながる」とご指摘をいただいた箇所は、

 
女性だからこその所作、思考の仕方は、これからの社会で非常に優位性がある

 
という趣旨が書かれたものだったのですが、これだと差別につながるとのことで、先生がお薦めしたのは、

 
女性だからこその行き届いたな配慮や、女性だからこその考え方に触れられる環境が、、、

 
というものだったんです。。。

 
 
どう違うの?ねえ、どう違うの?

 
と、私もお客様もものすごーく思いまして(笑)、願書のこの設問は「女子校の利点は何か」というものなのですが、私もお客様も、結論としては、

「そもそも女子校っていう時点で、差別かどうかは知らんけど差はできてるでしょうよ。だって男子は入学できないんだから」

という当たり前の感想を持ちました。

大真面目に言いますと、実際問題、社会に出れば男女差はありますし、いまだに大学の名前で大企 業の就職の有利不利がありますし、所得が少ない家庭よりも所得が多い家庭のほ うが子供は優れた教育を受けられます(どこの家庭に生まれるかによって差があります)ので、世の中、まったく平等ではありません。

このお受験のお塾のお先生(嫌味です)は、この当たり前の事実を知らないのでしょうか。しかもこの学校は女子校。目に見えて男子に不利であるという差はあるわけです。

 
であれば、差を見せない表現ではなく、「差」 は許容した書き方のほうが現実的かなと思うわけです。

 
一応フォローしておくと、このお先生は力があるかどうかはさておき、受験の世界にいる、と言いますか、受験を商売道具にしている方ですので、まあ、言っていることは合っているんでしょう、五百歩譲って。

でもね、元の文章も先生が修正した文章も、変わらないんですよ。

それが分からないレベルなので、「難しく書いている」と感じているんじゃあないのですかね。つまり、書き手よりも読み手であるあなたのほうが文章理解力が低いんじゃあないでしょうかね。

 
と、本気(マジ)で思いました。

 
 
こういったことがあったわけですが、そういえば、お受験の塾のウェブサイトなんかで願書の書き方をアドバイスしているページをよく見ますが、たしかに重要なことを教えてくれているなあと感じる内容がある反面、

 
「こういう書き方をすれば合格する」
「この内容は書いちゃいけない」

 
など、けっこう合否に直結することを言い切っているんです。

 
 
筆記試験や面接であればどんな出題だったか、どんな質問だったかなど、試験問題と面接での質問を何年も蓄積していったら傾向は出るでしょう。

 
がしかし、です。

 
願書の「こう書けば合格」という傾向は、たぶん分からないはずなんです学校関係者でないと。

 
 
塾に、過去に合格したご家庭の願書と、不合格になったご家庭の願書、複数準備して、合否を隠して、

 
「合格した志望理由はどーれだ?」

 
と塾にクイズを出しても、たぶん、正解率は2割くらいだと思います。
(あてずっぽうでも、たまたま当たるレベルの確率です)

 
なぜ分からないのかは明確で、願書の志望理由や家庭の教育方針などは、書き方・表現の仕方でかなりの違いがあり、それを受け止める学校側も、もしくは受験担当者によっても、受け止め方に揺れがあるわけです。もちろん、ある程度の「こういうことを書いていれば、とりあえず願書の審査は通過」などの指針はあるかもしれませんが。
そもそも、学校側が願書の書く項目を本当にしっかり読んでいるのかどうかも分かりませんし。案外、親の職業と年収を見ているだけかもしれません。

 
面接時の質問でも同じことが言えます。「どんな質問が出たか」は傾向として蓄積できますが、「どんな答え方をすれば合格するか」は、外部には分からないんですよね。

 
それが分かる塾や個人がいるとすれば、学校とつながっているはずです。まあでも、それはないでしょう、たぶん。

 
 
要は、「こう書けば、こう答えれば合格する」なんてものは、ブラフなんですよ。

 
 
長々話してきましたが、今回のことで、私がお客様、また小学校受験を控えている方に言いたいのは、

 
小学校受験の主役は周りにいる誰かではなく、保護者と子供です。

 
ということですね。

もちろん、「周りにいる誰か」の中には当社も入っています。

身になってくれている「周りにいる誰か」のご意見に耳を傾けつつ、自身でしっかり判断していただきたいなあと思います。

 
 
最終的に、保護者にとっても、お子さんにとっても、納得のいく受験であってほしいと思います。そのための助力に、当社としてはなりたいなあと思ってます。

 
小学校受験の願書 例文はこちら
 
 

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